日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した2022年年央の2022~2024年度(2022年4月~2025年3月)の半導体製造装置およびFPD製造装置の需要予測によると、2022年度の半導体製造装置は前年度比17.0%増の4兆283億円と、初めて4兆円を突破する可能性がでてきたという。
今後の成長が期待される日本製半導体製造装置
2021年度の日本製半導体製造装置販売高(日本半導体製造装置メーカーの国内および海外工場製装置の国内および海外での販売額の合計)は、前年度比44.4%増の3兆4430億円と大きな成長を遂げたが、2022年度もロシアのウクライナ侵攻の長期化やインフレの持続、サプライチェーンの混乱と部品不足は続いているものの、大手ロジック・ファウンドリ、メモリをはじめとした各社ともに積極的な投資姿勢を維持していることから、同17.0%増の4兆283億円と予測。2023年度も安定した成長を見込んでおり、同5.0%増の4兆2297億円、2024年度も同5.0%増の4兆4412億円とプラス成長が続くとの予測を示している。
ちなみに日本製半導体製造装置の販売額が1兆円から2兆円になるのに22年ほど要したが、2017年度に2兆円を突破した後、2021年度に3兆円を突破、3兆円から4兆円に至っては次年度(2022年度)で突破する勢いとなっている。ただし、半導体製造装置販売額が急上昇を続けている一方で、加速する半導体メーカーからの装置需要に供給が間に合わない状態が当分続きそうだとの見方も示している。
日本市場も1兆円を突破へ
半導体製造装置の日本市場販売額は、2021年度の同13.7%増の9103億円から2022年度は、大手メモリメーカーの積極投資などにより同30.0%増の1兆1834億円と、1兆円を突破する規模となることが予測されている。
2023年度も同10.0%増の1兆3017億円、2024年度も同10.0%増の1兆4319億円と予測しているが、TSMCの熊本工場(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing:JASM)については、詳細が不明のため、すべての金額を織り込んでおらず、さらに上振れする余地があるとSEAJでは説明している。
日本製FPD製造装置市場は横ばい
このほか、2022年度の日本製FPD製造装置については、需要の8割を占める中国でのロックダウンの影響から4~6月の販売高が大きく落ち込むものの、年間を通した数字は平準化するものとみて、同0.9%増の4850億円と予測している。
ただし、2023年度についてはG10.5(第10.5世代)基板を代表とする大型投資が少なく、投資一巡期にあたるため、同7.2%減の4500億円のマイナス成長予測としている。一方で2024年度については、タブレット・ノートPCの有機EL(OLED)化に伴うG8.5~8,7基板(第8.5~8.7世代)OLED製造装置の需要に期待し、同8.9%増の同4900億円と予測している。