TISインテックグループのTISは7月11日、自動運転EV(Electric Vehicle:電気自動車)向けの共通シャシーを開発する中国の貴州翰凱斯智能技術(以下、PIX Moving)と資本・業務提携したことを発表した。
TISは事業活動を通じた社会課題解決の重点分野として「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」「金融包摂」「健康問題」を掲げている。PIX Movingは中国、アメリカ、イタリアに拠点を置く自動運転EVスタートアップ企業であり、TISは今回の資本・業務提携について、特に「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」の解決に貢献すると位置付けているという。
自動車のEV化や自動運転技術の進歩に伴って自動車産業が大きく転換し、ソフトウェアの重要性が高まる現代の転換期において、TISはPIX Movingとの提携を通じてMaaS(Mobility as a Service)やスマートシティ領域などにおける新たなITサービス創出を目指すとのことだ。
TISは今回の提携において、同社グループとPIX Movingの連携による新サービスを日本や中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)の各地域に展開する予定だ。まずはMaaSやスマートシティ分野が拡大する中国市場において、TISおよび同社グループの中国現地法人である提愛斯数碼(TISI上海)とPIX Movingの3社が共同でMaaS関連のITサービスの構築を進める。
先行領域として、介護施設やオフィスビル、工場などを対象に、屋外で稼働するサービス型自動運転EVをPIX Movingが開発し、屋内のロボットやビル設備も含めた統合管理をTISのプラットフォーム「RoboticBase」によって実現する。また、PIX Movingが開発する自動運転EVにTISが強みとする決済やXR(Extended Reality)などを組み合わせた新サービスの開発にも着手するとしている。