半導体材料市場動向調査・コンサルティング会社であるTECHCETは、2022年の半導体製造用材料市場規模は前年比8%増の650億ドルを超すところまで成長するとの予測を発表した。
TECHCETの社長兼CEOあるLita Shon-Roy氏は「2022年前半は高い半導体需要を受け、材料価格の平均販売価格も上昇傾向にある」とする一方で、下期以降の市場低迷を見越して、2023年の成長率は同2%増に留まるとしている。
原材料価格やエネルギー価格の高騰が足かせに
2022年も半導体材料に対する需要は現状、堅調であるとされるが、多くの問題が材料の供給と価格に影響を与え始めているという。中でもロシア/ウクライナ地域は石油と天然ガスのサプライチェーンにおける主要な供給地であり、半導体製造に使用されるネオンやフルオロカーボンの生産だけでなく、ヘリウムの供給においても期待されていた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、さまざまなガスの輸出が困難となり、世界中のサプライチェーンに混乱をもたらすこととなっている。
また、エネルギーコストの急激な上昇に伴い、さまざまな材料生産のコストも上昇しており、例えばシリコンウェハは、2023年にかけて新規設備での生産がなされるまで生産能力は増加しないため、供給が制限される懸念もあり、すでに価格が上昇しているという。
さらに、さまざまな材料セグメントについても、生産コストと販売価格の上昇が進む中、需給バランスが崩れれば、さらなる高騰が懸念され、その結果、材料が入手難となり、半導体市場の成長を制限する要因になる可能性もあるとする。
半導体の需要は、2022年下期も引き続き堅調に推移することが予想されるが、TECHCETでは、原材料高などがインフレに寄与していると考えており、景気後退への懸念が高まるものと見ている。これが一時的な需要の落ち込みで終わるか、半導体チップ全体の需要に影響を与える長期的な景気後退につながる可能性があるかどうかについては、現時点では不透明だとしている。