米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA: Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)は7月6日(米国時間)、「CISA Announces Post-Quantum Cryptography Initiative|CISA」において、量子コンピューティングがもたらす新たな脅威に対抗するため、庁内の取り組みを統一して推進するための新しい取り組み「ポスト量子暗号イニシアチブ(Post-Quantum Cryptography Initiative)」を設立したことを発表した。
量子コンピュータの普及によって、インターネットや電子商取引において安全の基盤となっている公開鍵暗号といった暗号技術が十分な強度を保つことができなくなると評価されている。こうした評価に対し、アメリカ国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)は次世代暗号アルゴリズムであるポスト量子暗号(PQC: Post-Quantum Cryptography)または耐量子暗号(QRC: Quantum-Resistant Cryptographic)の策定に取り組んでおり、先日4つの候補アルゴリズムを発表している。
NISTは2024年まで標準化した規約については公表を行わないとしているが、組織に対し、「Preparing for Post-Quantum Cryptography: Infographic | Homeland Security」に掲載されているロードマップに従って移行準備を進めることを推奨している。今後、技術の進歩に合わせて量子コンピュータは現在の暗号方式に対してリスクなると評価されており、CISAはロードマップを確認することを促している。