情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)は、7月6日発行の安心相談窓口だより「ワンクリック請求の手口に引き続き注意」において、「ワンクリック請求」の被害に関する相談が引き続き寄せられているとして、金銭などの支払いに応じないように注意を呼びかけた。
ワンクリック請求は、アダルト系サイトや出会い系サイトなどにアクセスした際に、高額な代金やキャンセル代を請求する画面を表示する詐欺の手口であり、別名「ワンクリック詐欺」とも呼ばれている。
ユーザーがサイトにアクセスすると、特に契約への同意やアプリのインストールなどといったアクションをしていないにもかかわらず、「有料会員登録が完了した」「有料アプリのインストールが完了した」などのメッセージを表示して、利用料金の支払いを要求するのが典型的なワンクリック請求の手口である。ここで表示された連絡先にメールや電話をしてしまうと、強い脅し文句で繰り返し支払いを要求される危険性がある。
ワンクリック請求はアダルト系サイトに設置され、ユーザーの後ろめたい気持ちに訴えかけるケースが多い。また、IPアドレスや利用端末の情報などを表示して、あたかもユーザーの個人情報が特定されているかのように見せかける手口も多用される。ワンクリック請求の古くからある詐欺の手口だが、IPAによれば、その件数は減少しながらも形を変えながら現在もよく使われているという。
安心相談窓口だよりでは、ワンクリック請求の被害に遭わないための次のような対処方法を、具体的な例を提示しながらを紹介している
- 「サイトを見ただけでは、個人情報は伝わらない」ので不安に思わない
- 決して連絡しない、支払わない
- 不安なときは消費生活センターに相談する
もし、Webサイトを訪問した際にワンクリック請求の表示が現れたとしても、ブラウザを閉じてしまえば問題ない。しかし、中にはブラウザを閉じられないように細工されているケースがある。安心相談窓口だよりではそのような場合に強制的にブラウザを閉じる方法も紹介されている。