TISインテックグループのTIS千代田システムズは7月6日、プラント設計図面ソリューション「Dynamic Flow Navi(ダイナミックフローナビ)」の提供を10月より開始することを発表した。同ソリューションの導入を検討する企業に対し、正式サービス提供前の9月末までPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施する予定だという。

新ソリューションは、石油・化学系プラントにおける、バルブ開閉や機器のON・OFF による流体経路の変化をデジタル化した P&ID(Piping & Instrument flow Diagram:配管・計装図面)上でシミュレーション可能にするもの。プラントの設計や運転、保全などのフィールド業務においては、P&IDに基づく流体の経路確認や機器情報の把握が重要であり、大量のP&IDチェックの効率化と有効活用が求められている。これを実現するため、同社は、インテリジェントP&IDソリューション「TechmasNavi(テクマスナビ)」の機能を強化した後継ソリューションとして、「Dynamic Flow Navi」の提供を開始するとのことだ。

  • 「Dynamic Flow Navi」による業務効率化

    「Dynamic Flow Navi」による業務効率化

Dynamic Flow Naviを利用することで、デジタル化したP&ID上でバルブの開閉やポンプのON-OFFを切り替えると、同ソリューションが流体経路を自動判定してカラー表示可能だ。流体の種類によってあらかじめ色を指定しておくことで、プラントの状態が正確に把握できるようになる。また、ステータスを変えた流体経路パターンを複数保存し、プラントの運用および保全用の技術情報としても活用可能だ。

  • 流体経路シミュレーションの例

    流体経路シミュレーションの例

同ソリューションと個別のシステムで管理している機器や計器の情報を統合することで、同一のインタフェースからさまざまな情報にアクセスできるようになる。これにより、流体経路シミュレーションや機器検索と組み合わせることで情報の閲覧性が向上すると期待される。

  • プラント情報ポータルとして利用できる

    プラント情報ポータルとして利用できる

同ソリューションでは、現在紙やCADでP&IDを運用管理している組織が円滑にデジタル化したP&IDへ移行できるよう支援するという。AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を利用して既存図面のオブジェクト(部品・計器・配管)を自動検出する技術によって、人手とコストを抑えながらP&IDのインテリジェント化をサポートするとのこと。

  • AI技術による既存図面からのインテリジェントP&ID化支援

    AI技術で既存図面からデジタル化したP&IDへの移行を支援