研修を実施する企業でオンライン研修の満足度が85.7%に上り、集合研修の満足度を大きく上回っていることが、デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所が7月5日に発表した調査結果で明らかになった。
同調査は同社が、研修がある会社で教育を受けている会社員100人および、人事部の人材教育・育成業務担当者100人を対象にWebアンケートにより実施したもの。
社員がどのような研修を受講しているかを聞くと、全体ではオンライン研修のみが44%、オンライン研修と集合研修を併用したハイブリッド・ラーニングが41%で、85%がオンライン研修を受けていると回答した。またハイブリッド・ラーニングのうち、オンライン研修の実施比率が7割以上という回答者が66.6%を占めた。
さらに、研修に対する満足度を見ると、ハイブリッド・ラーニング(社員70.8%、企業71.2%)とオンライン研修(社員70.4%、企業85.7%)が、集合研修の満足度(社員40%、企業50%)を大きく上回った。
社員の満足度を高めている最大の要素は、時間・場所の制約がないことだという。一方企業側では、「目的にあった使い分けが可能」「受講者増とコスト削減が両立できる」といった点の評価が高い。
今後のハイブリッド・ラーニング継続の意向は、社員が92.7%、企業が96.9%と極めて高い。社員側は、現在よりやや集合研修を増やしたハイブリッド・ラーニングが求めているという。
一方で、オンライン研修やハイブリッド・ラーニングの課題に関しては、「円滑なコミュニケーションが難しい」「取組状況が見えない・ちゃんと理解できたか不安」「集合研修に比べて効果が限定的」といった意見があり、社員側と企業側で共通している。
双方向で活発な意見交換ができるなど、より集合研修の感覚に近いオンライン研修の仕組み、リアルとの境目をなくしオンライン研修の効果を高める取り組みが求められると同社はコメントしている。