横河電機は7月1日、製造業のDX支援のための経営コンサルティングサービス事業を行う「横河デジタル株式会社」の同日付けの設立を発表した。
新会社は、横河電機100%の出資の資本金1億円。代表取締役社長に鹿子木 宏明氏が就任する。Operational Technology(OT、運用・制御技術)とIT(情報技術)の双方を領域とし、"経営と現場をつなぐクラウド関連のシステムの実装、運用・保守までのサービス"によるDX支援を掲げ、10月1日から営業を開始する。具体的な事業概要は以下の通り。
- 製造業に対する経営コンサルティングサービス
- AI・IIoT・クラウド・サイバーセキュリティ等を活用したDX・ITサービス
- ソフトウェアサービスの開発・提供
- AIの研究開発・提供(トレーニングプログラムを含む)等
世界規模でのプロセス制御システムの開発や構築を行ってきた横河電機は、グローバルでデジタルファクトリーを進め、AIやクラウド、5Gを活用したリモート制御の実用化などIT技術を融合した実践を積み重ねており、2月には世界初になる化学プラントで"手動制御のみでしか対応できなかった箇所"にAIを導入し、自律制御で35日間連続制御を達成するなどプラントや工場でのさらなる自動化を期待させる記録を立てている。
横河電機の代表取締役社長である奈良 寿氏は「YOKOGAWAは、IA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy、産業における自動化から自律化へ)やSmart manufacturingを推進し、お客様への提供価値を拡大していくことを目指しています。これを進めていくうえでは、デジタル技術を活用し、プロセスや組織をつないで全体最適を図ることが不可欠であり、このたび設立した横河デジタルはグローバルでの全体最適を実現します。YOKOGAWAは、一つのシステムでは実現できない目的をシステム全体として達成するシステム・オブ・システムズ(SoS)を今後の社会の潮流ととらえ、統合化、自律化、デジタル化による全体最適によって価値を生み出すことに取り組んでいます。横河デジタルは、これをけん引し、お客様へ新たな価値を提供してまいります。」と述べている。