大和ハウスグループでマンション・ビル・商業施設の建設・管理・警備事業を展開する大和ライフネクストは6月29日、同社が管理受託するマンションの大規模修繕工事での工事監理業務にウエアラブルカメラを使った遠隔管理業務の実施を発表した。
大規模修繕工事の監理業務は、工事を設計図書と照合し設計図書のとおりに実施されているかを確認し、修繕工事の品質・仕上がり・工程などをチェックする重要な業務。一級建築士、二級建築士又は木造建築士が担う専門性の高い業務で、以前より人材不足や人材の都市部への集中、監理者の運営コストが課題となっていた。
同社はウエアラブルカメラを現場の施工会社の代理人に装着することで一部の作業を遠隔化、現地訪問の回数を週2回から1回に減らせるようになり、工事監理担当者の移動経費も削減。PC・スマートフォンなどにより現場映像をリアルタイムで視聴できる機能、ライブでの双方向通話機能、動画の自動録画機能などを有するセーフィーのウエアラブルカメラを使用し、業務の品質を落とさずに監理業務を遠隔地から行えるようになっている。
同社は2020年からセントラル警備保障、セーフィーと共同で遠距離での現場事前調査・工事の品質チェックの実証実験を行っており、その成果が今回の工事監理業務の遠隔化実現につながっている。今後、遠隔化システムを若手社員の教育ツールとして活用する他、将来的にはビル・マンションの点検・メンテナンスや清掃ロボット・警備ロボットへの応用などを視野に開発を進める。