製粉、食用油、ブドウ糖や冷凍食品などの製造・販売を行う昭和産業は6月29日、船橋工場内に投資総額62億円となる「船橋プレミックス第2工場」(以下、第2工場)を新設し、操業を開始したことを発表した。
船橋工場は、1935年に千葉県船橋市の船橋駅付近に設立され、1965年に現在の船橋市日の出に移転。現在は、製粉工場、パスタ工場、小麦サイロを備えた家庭用食品の主力工場として稼働している。
船橋工場の敷地内に新設された第2工場はホットケーキミックスやお好み焼き粉などのプレミックスの小袋製品生産に特化。家庭用だけでなく、業務用においても店舗スペースや作業オペレーション上、数100g~2kgの小袋製品の需要が高まると考え、生産強化を図った。
昭和産業の取締役常務執行役員である山口龍也氏は「第2工場はIoTなどの導入で効率的な生産が可能で、昭和産業のプレミックス事業の基幹工場と位置付けている」と述べた。
第2工場は5階建てで、5階で小麦粉などの主原料を自動で計量し、配管を通じ次の工程が待つ4階に送られる。その4階にて、ほかの副材料(ホットケーキミックスであれば砂糖など)が混ぜられた後、3階でふるいにかけられ、2階にて梱包が行われるというように各階に設置された配管を通じて工程通りの運搬が行われ、効率のよい製造ができるようになっている。
報道陣に公開された2階の梱包ラインでは(見学エリアのため、児童や学生などにも公開される予定だという)自動化の様子を見ることができた。
梱包に使う資材は、作業員がタブレットで必要数や資材の指定を行うと、少し離れたところにある資材倉庫からAGVが自動で梱包ラインまで運んでくる。
梱包ラインでは、製品の袋詰めから、段ボールへの積み込みまでが自動で行われる。
そのほかにも全数検査機の導入や、全行程でデータを自動で取得し、日報も自動で作成できるようにしたという。
これらの効率化の結果、主に人の手によって作業していた前設備と比較して約2倍となる年間約2万8000トンの生産能力を有する予定だ。
昭和産業の執行役員船橋工場長である仙波美智代氏は「自動化設備の導入に伴い、従業員への勉強会などの実施を行ってきた。また、2022年5月より試運転を行ってきた経験が糧となり、6月からの本格運転時に至ってもスムーズに稼働できていると感じている」とした。
昭和産業では、IoT設備などの導入は第2工場が初めてとのことだが、今後は他工場への横展開も視野に入れているという。