大日本印刷(DNP)は6月28日、5G(第5世代移動通信システム)の周波数帯であるミリ波帯(28ギガヘルツ帯)やSub6帯(3.7ギガヘルツ帯、4.5ギガヘルツ帯)において、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収し、漏洩や干渉を防止する薄型の「電波吸収シート」を開発したことを発表した。
同製品にはEB(Electron Beam:電子線)コーティング技術を施しており、屋外利用も可能な耐候性を有するという。また、環境や景観に合わせたデザインにも対応するとのことだ。
同製品は5Gの帯域であるミリ波帯とSub6帯において、-15デシベル以下の吸収量を持つという。企業や自治体などにおける用途に応じて、吸収する電波の周波数帯を調整可能だとしている。
ミリ波帯対応シートは厚さ0.3ミリメートルで、1平方メートルあたりの重さは0.5キログラム。Sub6帯対応シートは厚さ1.6ミリメートル、1平方メートルあたりの重さは3キログラム。薄型で軽量な点を特徴としており、さまざまな場所に施工できる利点があるという。木目調など、さまざまな意匠が施された建具用シートと併用もできるとのことだ。
なお、同製品はさらなる実証実験を進め、2023年までの製品化を目指すとしている。