ソフトバンクは、LPガス業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する3つのサービスを開始することを発表した。

AI(人工知能)がLPガス容器内の残量を予測して最適な配送計画・ルートを自動で策定するサービス「Routify(ルーティファイ)」と、検針データや保安業務に必要なデータを一元管理できる「スマートメーターマネジメントシステム」、LPガスの契約者にウェブ明細やオンライン決済を提供する「Gascope(ガスコープ)」の3つのサービスを、LPガス事業者向けに提供する。

2022年6月30日提供開始予定の「Routify」は、LPガス事業者が保有する検針データや配送員数や物件情報のデータなどと、道路情報や天候などの外部データを活用することで、AIがLPガス容器内の残量を予測し、予測に基づいて最適な配送計画・ルートを自動で策定するサービス。

  • 「Routify」サービスイメージ

    「Routify」サービスイメージ

これまでLPガスの配送員は、勘や経験によって配送計画やルートを策定していたが、「Routify」を導入することにより、自動で策定された配送先リストや配送ルートを配送員向けアプリで確認するだけで、最小限の移動で効率的に配送業務を行うことができるようになるという。同社が実施した実際の配送現場でのフィールドテストでは、ガス納入能力(配送員が1時間当たりに交換したガスの容量)が25%向上するなどの結果が出ているとのこと。

  • 配送員向けアプリの画面イメージ

    配送員向けアプリの画面イメージ

4月21日より提供を開始している「スマートメーターマネジメントシステム」は、LPガススマートメーターから取得した検針情報や設置先情報などのデータを一元管理し、LPガス事業者の検針業務や保安業務に活用できるサービス。

  • 「スマートメーターマネジメントシステム」サービスイメージ

    「スマートメーターマネジメントシステム」サービスイメージ

収集した検針データをWebブラウザで確認できる他、残量警告などのアラーム情報を、API連携した基幹システムや集中監視システムに通知したり、メーターの弁の開閉などの操作を遠隔で実施したりすることができる。

同サービスはメーターメーカー各社の管理システムの基本的な機能を備えており、メーカーを問わずさまざまなスマートメーターのデータを連携させて一元管理することが可能。また、ソフトバンクの通信ボードを内蔵したスマートメーターだけでなく、他社の通信回線を利用しているスマートメーターおよびクラウドセンターとも接続することを想定しているため、マルチメーカー・マルチネットワークで利用することができるという。

3つ目のサービスで、2022年夏提供開始予定の「Gascope」は、LPガスの契約者にウェブ明細やオンライン決済などを提供する。

  • 「Gascope」サービスイメージ

    「Gascope」サービスイメージ

具体的には、LPガスの契約者が利用明細をパソコンやスマートフォンからオンラインで確認できる「ウェブ明細」、LPガスの契約者に「LINE」を通して利用明細の確定通知や広告を配信する「LINE公式アカウントとの連携」、クレジットカードによるオンライン決済や、払込票によるコンビニエンスストアでの決済で、LPガスの利用料金の支払いができる「オンライン決済」といった3つの機能を提供する。

今後は「LINE」を活用したサービスを拡充し、ガス設備の点検の訪問予約や、サービスの加入・退会、問い合わせ機能などを追加する予定とのことだ。