立命館大学は6月24日、伝統的に滋養強壮、活力増強、栄養補給などの補助栄養剤として用いられてきた薬用植物のマカが、骨格筋の生育・成長を促し、筋肥大をもたらすことを明らかにしたと発表した。
同成果は、立命館大大学院 スポーツ健康科学研究科の易東大学院生、同・橋本健志教授らの研究チームによるもの。詳細は、生化学や分子および細胞生物学などの分子研究全般を扱うオープンアクセスジャーナル「International Journal of Molecular Sciences」に掲載された。
高齢化に伴い、サルコペニア(加齢性筋肉減弱症)やそれに伴う運動器疾患など、さまざまな疾患が問題となっているが、そうした疾患に対しては、運動や適切な栄養摂取による予防が推奨されている。
そうした中で、今回研究チームが着目したのが、薬用植物のマカだという。マカは、標高4000mほどの南米ペルーに植生するアブラナ科の多年生植物で、その塊根は、伝統的に滋養強壮、活力増強、栄養補給などの補助栄養剤として用いられてきた。さらに近年では、新たに不妊症、更年期障害の改善にも有効である可能性が示唆されている。
さまざまな成分がある中で、研究チームが今回着目したのは、マカに筋タンパク質の合成促進・分解抑制効果を示す有効成分の「トリテルペン類」が含有されていることだという。
さらには、筋量増加に関係する「ロイシン」や「アルギニン」といった複数の種類のアミノ酸が含まれていることも鑑みると、マカの筋生育・成長促進効果が期待できるとする。
しかし、マカの筋生育・成長促進効果や筋肥大効果は不明だった。そこで研究チームは今回、マウス横紋筋由来の筋芽細胞株の「C2C12筋芽細胞」に対して異なる濃度のマカを添加し、マカが骨格筋の生育・成長や筋肥大へ及ぼす影響を明らかにすることにしたという。