デロイト トーマツ ミック経済研究所は6月27日、「位置情報ソリューション市場の現状と展望2022年度版」を発刊した。同調査では、位置情報ソリューションを提供する主要ベンダー30社を調査したほか、その他ベンダー分を推計し、2020年度~2022年度までの市場規模を算出している。また、同社による取材情報を基に2025年度までの短期予測も推計している。

同社は、位置情報ソリューション全体の市場規模について、2025年度には売上高が1000億円を超えると予測する。

  • 位置情報ソリューションの市場推移(売上高)。積み上げ棒グラフのうち、下から「屋外測位ソリューション」「屋内測位ソリューション」「分析プラットフォームツール」となる

同調査では、「屋外測位ソリューション」と「屋内測位ソリューション」のほか、測位は行わないがユーザーによる分析を可能にする「分析プラットフォームツール」の3つの市場についても調査している。

2021年度の屋外測位ソリューション市場は前年比124.0%の186億円、屋内測位ソリューション市場は前年比109.5%の69億円だった。

屋外測位市場では、高精度測位を可能にする受信機の小型化や低価格化が進んでおり、導入が広がっている。また物流の2024年問題や、国土交通省の「i-Construction」など政府施策も追い風になると同社は見る。屋内測位市場は2021年度は新型コロナウイルスの影響で客先訪問が難しく、PoC(概念実証)や商談が延期となるケースが多発した。しかし、2022年度は2021年度ほどの行動制限は行われない見方が大半であり、オフィスでの導入も引き続き好調を維持すると同社は見る。

2021年度の分析プラットフォームツール市場は前年比115.9%の190億円となった。スマートフォンやIoTの普及によりデータの取得が容易になったことで、同ツールの活用の幅が広がっている。またデータトリブンな意思決定を行っていくためのツールとしても注目が集まっている。