協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット(UR)は6月22日、オンラインで記者会見を開催。可搬重量20kg、動作半径1750mmで同社最大規模となる新製品「UR20」を発表した。
現在、工場などの現場では新型コロナの影響や働き方の変化による人材不足が喫緊の課題で、労働環境の改善や省人化に向けたソリューションが求められている。
人とロボットが共に働く世界の創造を目指すURは、主に工場でのパレタイジング自動化に貢献する協働ロボット製品群「e-Series」を提供しており、UR20はその最新製品としてラインナップされる。
同製品は、20kgの可搬重量・1750mmの動作半径ともにシリーズ最大規模となる。
規模を拡大する中でも、本体重量を64kgに抑え、設置面積も最小限とすることで、現場への導入やレイアウト変更による再配置にも対応しやすいとしている。
さらに、ジョイント構造やセンサの見直しにより部品点数を約50%削減したことで、故障の頻度を低下させたほか、故障した場合も利用者自身による修理を可能とし、非稼働時間を削減可能だとした。
性能面では、従来の同社製品では1m/秒だった標準TCP速度が2m/秒まで向上し、従来製品と比較してジョイント速度が約65%向上、ジョイントトルクが約25%増加するため、より早い作業にも対応可能だという。
また安全性の面では、従来のe-Seriesが持つ17の調整可能な安全機能を継続して搭載しているとのことだ。
会見に登壇したUR日本支社代表の山根剛氏は、UR20はパレタイジング以外にも多様な作業領域に活用可能だとし、国内で熟練者が減少している溶接作業の自動化においても活用が期待されるとした。
同製品は、ドイツのミュンヘンで6月21日から24日(いずれも現地時間)まで開催されているロボティクスの展示会「automatica 2022」で展示され、パレタイジング向けソリューションとして注目を集めているという。
URの山根代表は、UR20の日本国内での販売について、2023年の1月~3月に受注を開始し、同年4月~6月にかけて出荷を開始する予定だと語った。