ESETは6月20日(米国時間)、「Crypto mixers: What are they and how are they used?|WeLiveSecurity」において、サイバー犯罪者のマネーロンダリング(資金洗浄)として使われているクリプトミキサーについて解説した。サイバー犯罪者が窃取した仮想通貨などのデジタルマネーの痕跡を不明瞭にするため、クリプトミキサーが悪用されているという。
クリプトミキサー(またはクリプトタンブラーとも呼ばれる)とは、自分のデジタルマネーと他人のデジタルマネーを混ぜて無数の取引を複数組み合わせることで暗号資産の出所と行き先を難解にすることを目的としたサービス。
クリプトミキサーは、怪しげなフォーラムといったダークウェブだけでなく一般的なWebサイト上にも存在し、誰でも利用することが可能となっている。サービス運営者側は暗号資産のマネーロンダリングとしてではなく、プライバシーの改善のオプションとして提供していると主張している。
匿名性の高いデジタルマネーは一般的な投資家だけでなく、サイバー犯罪者の資産としても使われている。ESETはサイバー犯罪者が犯罪行為で得た仮想通貨などの暗号資産を洗浄する一つの方法としてクリプトミキサーが利用されていると指摘。例えば、サイバー犯罪者の間で人気のクリプトミキサーとして「Tornado Cash」が挙げられている。Tornado Cashでは、Crypto.comでのサイバー犯罪やAxle Infinityゲームと連携するブロックチェーンネットワークのRoninでのサイバー犯罪で窃取された資産のマネーロンダリングに利用されたことが判明している。
クリプトミキサーが違法かどうかは、国や司法権によって異なる。クリプトミキサー自身は本質的には違法ではないが、現状としてサイバー犯罪者のマネーロンダリングに使われていることが問題であり、法執行機関は監視の目を厳しくしている。実際に、法執行機関は不正に入手したデジタルマネー痕跡を追跡し、クリプトミキサーの運営への対応を始めていると指摘されている。