マイナポイント第2弾が6月30日から始動することを受けて、6月21日、総務省とマイナポイント事業PR事務局は説明会を開催した。会見には、総務省大臣官房地域力創造審議官の馬場竹次郎氏と野村総合研究所の冨田勝己氏が登壇し、マイナポイント第2弾の解説やその施策によってもたらされる効果について説明した。本稿では、その会見の一部始終とマイナポイント第2弾の概要を紹介しよう。
マイナポイント第2弾は「9月末」までにカードの申請を
マイナポイント第2弾は、「マイナポイントにより、マイナンバーカードの普及やキャッシュレス決済の利用拡大を図りつつ、消費を喚起し、さらに健康保険証利用や公金受取口座の登録を促進することでデジタル社会の実現を図る」という目的のために、開催が決定したという。
今回の第2弾で、マイナポイントを取得できる対象者は3パターン存在する。3パターンとは、「カード新規取得者(または第1弾の未申込者)」「健康保険証利用申込者」「公金受取口座登録者」だ。
対象者は3種類あるが、1つでしかポイントが受け取れないということはなく、マイナンバーカードを取得することで最大5,000円相当、健康保険利用を申し込むことで7,500円相当、公金受取口座を登録することで7,500円相当、合計で最大20,000円相当を好きなキャッシュレス決済サービスのポイントとして受け取れるという。
ポイントの申し込みの締め切りは、「カードの新規取得」が2022年1月~2023年2月末、「健康保険証利用申込」「公金受取口座登録」が2022年6月30日~2023年2月末となっている。
ここで注意したい最大のポイントは、いずれの申し込みもポイントの対象となるのは2022年9月末までに申し込まれたマイナンバーカードである必要があるという点。もし、この9月末を過ぎてからマイナンバーカードを取得した場合、マイナポイントを受け取れなくなってしまうので要注意だ。
今回の第2弾で選択できる「好きなキャッシュレスサービス」というのも多種多様だ。電子マネー・QRコード決済・クレジットカード・デビットカードなどを中心に、申し込みが始まる6月30日からは82決済サービス、7月下旬には92決済サービスまで拡大予定と、かなり多くのキャッシュレスサービスで利用できる。
ご当地のキャッシュレスサービスなどでもマイナポイントの取得を選択できるため、馬場氏は「普段から使用しているキャッシュレスサービスを選択できることで、使用の心理的なハードルを下げたい狙いがある」と語っていた。
スマホからPCからも可能、マイナポイントの申し込み方法
前回の第1弾が5,000円相当のポイント付与だったことを考えると、第2弾のキャンペーによって得られるポイントは大幅に上がっていることが分かる。
せっかくなら満額もらえるように申し込みたいところだが、どうにも申請するのは難しそうと感じる読者も少なくないのではないだろうか。そこで、マイナポイントの申請方法を詳しく解説しよう。今回の申請は、スマートフォンとPCの場合で操作が異なる。
スマートフォンの場合、初めに「マイナポイントアプリ」をインストールし、アプリ上で「申込む」をタップする。次に、公的個人認証サービス利用者照明用の数字4桁のパスワードを入力し、マイナンバーカードを読み取る。そして、アプリ内の指示に従ってキャンペーンを選び、自身の利用したい決済サービスを選択し、決済サービスの情報を入力する。最後に、申込内容を確認し、利用規約に同意することで申し込みが完了する、という流れだ。
PCの場合は、カードリーダーを用意し、「マイナポイント申し込みサイト」からスマートフォンと同じような手続きを行うようになっているという。
いずれも直感的に操作できるような仕組みになっている上、子どもの申請を親権者が代行できたり、スマートフォンやPCを持っていない世帯や操作になれていない高齢者向けに、郵便局や携帯ショップ、セブン銀行、ローソンのマルチコピー機などでも申請が行えるようになっていたり、と申し込みの支援も充実している。
機能が拡充するマイナンバーカード、今後何ができるようになるの?
ここまでの説明で、マイナンバーカードで健康保険証などを利用できるようになっていることは理解していただけただろう。だが、実は今後、マイナンバーカードの機能はより一層利用シーンが拡大していくという。
「住民票の請求・申請」「健康保険証」「図書カード」「銀行・証券」「住宅ローン」など、すでに利用可能なサービスはたくさんあるが、今後は「引っ越し」「パスポート申請」「社員証・学生証」「運転免許証」「就労関係の申し込み」などが、マイナンバーカードで利用可能になるという。
また今後のマイナンバーカードのより広い利用のためには「より広い機能の拡充が必要です。例えば、選挙をマイナンバーカードとひもづけてオンラインで行えるようになるなど、市民の生活に近い機能が必要になってくるでしょう」と冨田氏は語り、馬場氏も大いに同意している様子だった。
馬場氏は、マイナンバーカードの今後について「デジタル社会の基盤になっていくと思います。今回、マイナンバーカードで健康保険証を利用できるようになることにより、服薬の情報などを共有可能になり、かかりつけ医以外でもより良い医療サービスを受けられるような社会になっていくと確信しています」と力強く締めくくっていた。