物質・材料研究機構(NIMS)の研究者、吉川元起氏らが開発した「膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor:MSS)」をコア技術とし、MSSを用いたニオイセンサを活用した事業を行うQception(キューセプション)を設立したことを、同社が6月21日にプレスリリースとして発表した。
同社は、NIMSの研究者、今村岳氏が代表を務め、2022年5月2日に株式会社として設立したという。
MSSは、さまざまな固体材料をガスの検知材料(感応膜)として用いることができるという化学的多様性を有していることから、人間の嗅覚を模倣したニオイセンサの素子として用いることができるという。
MSSを応用し、同社は「ニオイ測定コンサルティング」、「 感応膜塗布/感応膜付きMSSチップ販売」、「 簡易測定器販売(現在開発中)」、「生体ガス測定」の4つの事業を主に行っていくとしている。
同社は、ニオイは人間にとって非常に重要な情報源であり、ニオイを客観的に測定できるニオイセンサに必要な各種要素技術を開発・統合することによって、 ニオイセンサのスタンダードを確立し、「ニオイを測る文化」を作ることを目標としているという。