三菱重工業と三菱電機は6月21日、米国ボーイングの中型ジェット旅客機「787」向け複合材主翼の工程廃材を家電部品へ再利用する取り組みを開始すると発表した。
複合材主翼を製造する時に発生する炭素繊維複合材料をリサイクルし、三菱電機製コードレス掃除機「iNSTICK ZUBAQ」シリーズのパイプ部分とハンドル部分として再利用する。
炭素繊維複合材料は、その軽量、高強度な特性から、旅客機の主翼部分などへの適用が拡大している一方、炭素繊維製造時の大きなエネルギー負荷によって多くのCO2が排出されるという。
このほど、三菱重工を主体に、安定したリサイクル材を供給できるサプライチェーンの構築とリサイクル材特有の技術課題の克服に成功したことから、今回の取り組みを開始したとのこと。
両社は今後、787向け複合材主翼の工程廃材からリサイクルされた材料を家電製品だけでなくさまざまな用途で再利用を進めていく予定としており、廃材リサイクルを通じて温室効果ガス排出削減とカーボンニュートラル社会の実現に貢献する。