スカパーJSATは6月16日、総務省が運用するC帯(4GHz/6GHz帯の周波数)静止衛星監視設備の整備事業を受注し、同社が運営する茨城ネットワーク管制センター(SPE)内に同設備が設置され、2024年4月1日より運用が開始されることを発表した。
また、電波利用の監視や取り締まりの責務を負う無線通信主管庁向けソリューションプロバイダーであり、国家安全保障を担う米国大手のKratos Defense & Security Solutions(Kratos)、Kratosの子会社であるKratos Communications Japanと協力の上、スカパーJSATは総務省向け監視設備の導入を進めていくことも併せて発表された。
現在、総務省が運用する電波監視設備は、神奈川県三浦市に位置する関東総合通信局三浦電波監視センターに設置されているが、総務省の既存設備のうちC帯静止衛星監視設備では、第5世代移動通信システム(5G)との電波干渉の影響によって、監視業務の継続が困難となる可能性があるという。
そこで今回の事業では、総務省のC帯静止衛星監視設備を5Gの電波から保護されたスカパーJSATのSPE敷地内に新設し、さらに電波監視機能を高めることで、電波の輻輳(ふくそう)、干渉、違法電波の取り締まりなどを強化し、安全で公平な周波数利用環境の維持に寄与するとしている。
また、今回の事業では、スカパーJSATが主契約者となり、総務省とC帯静止衛星監視設備構築に向けた契約が締結されたが、Kratosをはじめとした協力企業と緊密に連携しながら、将来にわたる新たなC帯静止衛星監視設備の安定運用に向け、C帯アンテナや周波数計測装置など、各種設備の構築を管理・推進していくともしている。
なお、これまで関東総合通信局三浦電波監視センターは、国民生活の安心安全を守るため、宇宙電波監視を担う各国主管庁や国際電気通信連合とも国際的な連携を行いながら、半世紀以上にわたって国内外の電波利用の秩序を維持してきた。スカパーJSATは、今回受託した事業を通して、引き続き電波監視業務の責務を果たす日本の取り組みを支援していくとしている。