Vayyar Imagingの日本法人、Vayyar Imaging Japanは6月15日、日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の社長経験がある田口倫彰氏が代表に就任したことを発表した。
田口氏は、2013年に同社の代表取締役 兼 営業本部長に就任、2019年にはTDKの顧問を務め、今回、Vayyar Imaging Japanの代表となった。
Vayyar Imagingは、壁や物体を透過し、さまざまな環境で発生する状況をリアルタイムで追跡、マッピングすることができる「4Dイメージングレーダー」技術を提供している会社で、2011年にイスラエルで設立された。
もともとは乳がんの早期発見を目的に技術開発を行っていたが、現在ではその4Dイメージングレーダー技術を高齢者介護や医療、自動車、スマートホーム、ロボティクスなど幅広い産業に提供しているという。グローバルでは、イスラエルと日本のほか、アメリカ、スウェーデン、中国に拠点を置いている。
田口氏は「我々の技術で、人の命を救うことができると思っている。日本法人では、高齢者介護分野、自動車分野の2つに注力していく」とした。
高齢者介護では、非接触型点灯検知ソリューション「Vayyar Care」を展開していく。
小型で、カメラを使わないためプライバシーに配慮しながら転倒検知を可能とし、身に着ける必要もないのが特徴だという。
壁に取り付けることで、ベッドに寝ているのか起き上がっているのか、部屋にいるのか、それとも別の部屋に移動したのか、といったことを検知することができる。
すでに同ソリューションについては企業や自治体との実証実験が進められているという。
また、自動車分野では幼児の置き去り検知や、シートベルト付け忘れ検知、不審者検知などを行う「車室内モニター」を展開していくほか、最大14個の既存センサと置き換え可能な、車外センサなども提供していくという。
田口氏は売り上げの見通しについて「2022年の後半には、現在実証を行っている高齢者介護向けソリューションが製品として売り上げになっていくと考えている。自動車のほうは現在、日本のOEM(自動車メーカー)と話をしている段階で、売り上げが立つのはもう少し先となる」とのことだ。
代表として1年目となる2022年、田口氏が1番意識していることは「まずはVayyar Imagingの知名度を上げていくことと、技術を買っていただいたクライアントの信頼に応えていくこと」としている。