米スノーフレイクはグローバル年次イベント「SnowflakeSummit 2022」を米ラスベガスで6月13日~16日(現地時間)に開催。この中で、Unistore(ユニストア)の提供開始など、新機能を発表した。

Unistoreは、Snowflakeの機能を拡張し、単一のプラットフォーム上でトランザクションデータと分析データを組み合わせて利用するための新しいワークロード。

  • Unistore

Unistoreを利用することで、顧客はトランザクションにも同社のデータクラウドを活用できるようになる。Unistoreの一部として、同社はHybrid Tableを導入。Hybrid Tableにより、単一の行(レコード)を操作できることで、顧客はSnowflake上で直接ビジネス用のトランザクションアプリケーションを開発できるようになるという。

  • Hybrid Table

米スノーフレイク 製品担当 シニアバイスプレジデント Christian Kleinerman(クリスチャン クレイナマン)氏は、「Unistoreのワークロードをトランザクションにも拡張するものだ。データに対して分析クエリーを実行できる。一番特徴的なのは、すべて同じエンジンで、同じセキュリティモデル、ガバナンス上で実行できる点だ。UnistoreはHybrid Tableを作って、解析ができる。すでに複数の企業で検証を行っている」と述べた。

  • 米スノーフレイク 製品担当 シニアバイスプレジデント Christian Kleinerman(クリスチャン クレイナマン)氏

Hydbrid Tableの利用により、顧客は既存のSnowflake Tableを組み合わせてすべてのデータを総合的に把握することができるという。

なお、Hybrid Tableは現在プライベートプレビュー中(一部の顧客のみが利用)。

また、同社はUnistoreの提供開始に加えて、新たなSnowflakeネイティブアプリケーション フレームワーク、データプログラマビリティに関するイノベーションなどについてもSnowflake Summit 2022で発表した。

ネイティブアプリケーションフレームワークは、同社のデータクラウド上でネイティブに開発、販売、デプロイされるアプリケーション群。

このネイティブアプリケーションフレームワーク(現在プライベートプレビュー中)を利用することで、開発者は構築したアプリケーションをSnowflakeデータマーケットプレースで販売できる。

現在プライベートプレビュー中のネイティブアプリケーションフレームワークを利用することで、開発者はストアドプロシージャ、ユーザー定義関数(UDF)、ユーザー定義テーブル関数(UDTF)といったSnowflakeの機能を活用してアプリケーションを開発でき、インタラクティブなカスタマーインターフェースやテレメトリ機能(監視やトラブルシューティング用のイベントやアラートなど)の開発向けに、Streamlitとの統合などの機能も開発中だという。

  • ネイティブアプリケーションフレームワーク

データサイエンティスト、データエンジニア、アプリケーション開発者向けの一連のプログラマビリティ強化機能では、特にPythonのサポート強化をテーマとしており、現在プライベートプレビュー中であるSnowpark for Pythonの提供を開始すると共に、現在開発を進めているStreamlitとのネイティブ統合によって高速なアプリケーションの開発サイクルを実現するとしている。

  • 開発とデータの連携

Python用DataFrame APIを使用してパイプライン、ML(Machine Learning )モデル、アプリケーションの開発を行い、コードの自動補完機能やカスタムロジックを生成する機能によって開発作業を効率化することができるという。

また、SnowflakeとStreamlitの統合(現在開発中)によって、Pythonベースのアプリケーション開発機能がSnowflakeに直接組み込まれる。そのほか、大容量メモリのウェアハウス(現在開発中)により、ユーザーはAnacondaとの統合によって利用可能となったPythonのオープンソースライブラリを使用し、特徴量エンジニアリングや大量のデータセットを用いたモデルトレーニングなどのメモリ負荷の高い作業を安全に行えるようになるとしている。

  • Pythonのサポート拡大

さらに、時系列予測(現在プライベートプレビュー中)をはじめとしたSQL機械学習により、SQLユーザーはMLを駆使した予測を日々のビジネスインテリジェンスや分析に取り入れ、意思決定の質とスピードを高めることができるとしている。

米スノーフレイク APJ プレジデント 兼 会長執行役員 Jon Robertson(ジョン・ロバートソン)氏によれば、同社の直近の第1四半期の売上(グローバル)は約530億円(394 millionドル)で、前期比84%の伸びだったという。同社のサービスを導入する企業はグローバルで6322社で日本では250社強くらいだという。導入社数はグローバルでは40%程度増加し、日本の増加はその2倍だという。

同社のサービスは、以前は、SaaS、アドテック、オンラインメディアの顧客が多かったが、最近は、金融、リテール、製造が増えているという。

「われわれのデータクラウドの特徴は、自分のデータを他のお客さんと交換、データシェアするということだ。現在、数千社の顧客が自社のエコシステムの中でデータの交換、シェア、販売を行っている」(ジョン・ロバートソン氏)

  • 米スノーフレイク APJ プレジデント 兼 会長執行役員 Jon Robertson(ジョン・ロバートソン)氏