The Procter & Gamble Company(P&G)と米マイクロソフトは6月8日(現地時間)、Microsoft Cloudを活用した製造業のデジタル化に向け、複数年にわたる提携を締結することを発表した。
両社は、P&Gのデジタル製造プラットフォームを加速・拡大し、IIoTを活用して、消費者への商品の早期提供、顧客満足度の向上、生産性向上によるコスト削減を実現するために共同で経営革新を進めていくという。
Microsoft Azureを基盤とした今回のコラボレーションは、P&Gの世界100カ所以上の製造拠点のデータをデジタル化・統合し、AI、機械学習、エッジコンピューティングサービスの強化によりリアルタイムの可視化を実現。P&Gの従業員は製造データを分析し、AIを活用して改善と飛躍的効果をもたらす意思決定を即座に行えるようになるという。
今回の提携によりP&Gは、データ、AI、デジタルツインテクノロジの活用を可能にする、製造環境の持続可能性への取り組みを最適化する、ワークフォースの効率性と生産性を向上するといった目標の達成を目指すという。
すでにP&Gは、Azure IoT HubとIoT Edgeを活用し、技術者がより迅速かつ効率的にインサイトを分析できるよう支援し、エジプト、インド、日本、米国における試行プロジェクトによりベビーケア製品や紙製品の製造プロセスを改善しているということだ。
また、P&Gは製造プロセスの持続可能性を最適化するために、マイクロソフトの機械学習とデータストレージのプラットフォームを活用して、Family Careの製紙機械設備全体のエネルギー利用率を向上していくという。
なお、マイクロソフトとP&Gは両組織の専門家からなるDigital Enablement Office(DEO)を共同で設立した。DEOはインキュベーターとして製品の製造やパッケージングのプロセスの分野でP&G全体に展開できる重要なビジネスの創出を視野に入れているということだ。