矢野経済研究所は6月8日、国内のサブスクリプションサービス市場の調査結果を発表し、主要・注目カテゴリーの市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
同調査の対象分野は「衣料品・ファッションレンタル」、「外食サービス」、家具家電などの「生活関連サービス」、月額定額で短期間に住み替えるような「多拠点居住サービス」、音楽や映像などの「デジタルコンテンツサービス」、「定期宅配サービス」の6市場とし、消費者支払額ベースで算出した。
これによると、2021年度のサブスクリプションサービス国内市場規模は前年度比10.6%増の9615億5000万円であった。6市場すべてで前年度と比較して成長したという。同社は2022年度のサブスクリプションサービス国内市場規模(6市場計)は前年度比9.5%増の1兆524億7500万円、2024年度には1兆2422億4000万円になると予測。
同社によると交通事業者によるサブスクリプションサービスの試みがしばしば見られるという。交通事業者がこれまで安定的に獲得できていた定期券やその他運賃などの収入は、2020年のコロナ禍をきっかけに一定程度の減少が見込まれる。しかしこの多様化をチャンスと捉え、新たな需要創出に向けて事業者各社でサービス開発を進めており、その中で特にサブスクリプションサービスが脚光を浴びているというのだ。
例えば、移動を中心としたさまざまなサービスをサブスクリプション型で一元管理することで、携帯電話・スマートフォンの支払いで見られるような、一括支払いでさまざまなサービスを利用できる仕組みを提供可能になる。これはMaaS(Mobility as a Service)推進や交通サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)でもあり、同社はサブスクリプションサービスの導入は交通サービスのさらなる成長のきっかけになると予測している。