日立ハイテクは6月2日、半導体デバイスの欠陥検査に必要な暗視野式ウェハ欠陥検査装置「DI2800」を発売した。
近年、5Gを中心とした高速通信や自動車のEV化が社会基盤技術として広がるのに伴い、IoTや車載向け半導体デバイスにおいて、より高い信頼性や安全性が求められるようになってきた。
従来、半導体デバイスの製造工程では、プロセス管理や歩留まり向上を目的とした抜き取り検査が実施されていたが、車載分野などでは、高い信頼性と安全性を担保するため、製造工程中における良品判定を全数実施することが求められている。特にウェハの欠陥検査においては、高感度かつ高速で全数検査が実施できる処理能力が求められるようになっているという。
そこで日立ハイテクはこうしたニーズに対応するべくDI2800を開発。同製品は、散乱強度シミュレーション技術を活用した照明および検出光学系の最適化により、8インチ(200mm)以下の鏡面ウェハ上の0.1μm標準粒子を検出できる感度で、製造工程中のパターン付きウェハを検査できるとしている。
また、従来はデータ処理の問題で高感度検査が難しかった0.3mm角程度の小型半導体チップに対しても0.1μmの感度で検査でき、検査シーケンスの最適化により、8インチウェハの場合で、毎時40枚以上の欠陥検査を実現可能だともしている。
なお、日立ハイテクでは、同社が提供している高分解能FEB測長装置や欠陥形状評価SEMとDI2800を組み合わせて活用することで、IoTや車載向け半導体デバイスの開発や量産における検査・計測工程の多様なニーズに対応可能だとしているほか、今後、各装置で検査・計測したデジタル情報を集約したうえで解析し、新たな価値を提供するデータソリューションの提案も行っていくことで、IoT・車載分野における半導体デバイスの信頼性と安全性の向上に貢献するとしている。