ヴィテスコ・テクノロジーズは5月31日、シリコンカーバイド(SiC)半導体の分野での地位を強化するため、インフィニオン・テクノロジーズと協力協定を締結したと発表した。
SiCパワー半導体は、高いシステム電圧に対応した高効率的デバイスであり、従来のシリコン製パワー半導体に比べて電動車両の航続距離を伸長させることが可能なため、今後、重要性が高まると予想されている。
ヴィテスコは、電動ドライブモータを制御するコンパクトな高電圧インバータなど、現行の電子機器にSiC部品を使用することで小型化と高効率化を実現してきたという。
一方のインフィニオンは、自動車用電子機器向け半導体などを手掛ける大手半導体メーカーで、SiCを用いたパワー半導体も発電分野を中心にさまざまな市場に提供してきた実績を有している。
両社はかねてよりシリコン半導体の分野で協業してきており、ヴィテスコにとってインフィニオンはSiCデバイス分野における2社目のパートナーとなる。
なお、ヴィテスコでは今回の協業の一環としてSiC半導体部品の最適化を計画しており、エレクトロモビリティの成長に向けた生産能力増強を目指すとしている。