「BtoB広報 最強の攻略術」(すばる舎)は、中小BtoB企業の広報担当向けに、メディアでの自社の露出を増やすためのノウハウを元記者の立場で記述した書籍だ。
どんな企業の広報担当でも、メディアに自社のニュースを扱ってもらいたいと考え、さまざなニュースを日々発信している。しかし、プレスリリースを出してもBtoB企業だから扱ってもらえない、中小企業だから記者に相手にされないと、最初から諦めている担当者もいる。また、下手な鉄砲も数撃てば当たるとばかりに、とにかくリリースを数多く配信しようと考える広報もいる。
日本経済新聞の元記者である著者の日高広太郎(ひだか・こうたろう)氏は、これらはいずれも間違った認識だと指摘する。
確かに、中小企業よりも大企業のほうが注目度が高く、記事として取り扱ってもらえる可能性は高い。しかし、たとえ小規模な企業でも、扱っている商品やサービスが地味なものであっても、記者が求める「ネタ」に合致すれば、記事として取り上げてもらえるはずだと日高氏はこの本の中で記述している。
そのための方法として、3章では、記者は普段、どういう点に注目してニュースを選んでいるのか、また、それを知るにはどういった方法があるのかを紹介。5章では、記者にとって「悪いリリース」「良いリリース」とはどのようなものなのか、具体的な事例で紹介。
4章では、攻めの広報を実践するためのリリースの配信タイミングやアプローチするメディアの選び方、メディアの特性の応じた記事の書き方を指南。
6章では記者へのコンタクトの方法や売り込み方法について。そして7章では、記者との信頼関係を築くためにどういった行動をとるべきかを解説している。
これらはいずれも、新聞記者、広報というこれまでの著者の実体験をもとに説明されており、実際、著者が広報部長として転職したBtoB企業では、同社の報道件数を100倍に向上させることに成功している。
この書籍は企業の広報担当者向けに書かれたものだが、著者の日高さんは、自身の強みをアピールするという点で、就活を行う学生にとっても参考になるはずだと語っている。