Mozillaは2022年6月2日(米国時間)、「Mozilla releases local machine translation tools as part of Project Bergamot」において、完全にローカルで動作する翻訳アドオン「Firefox Translations」の公開を伝えた。2019年から取り組まれたプロジェクトの成果物とされており、完全にローカルで機能し、入力に対してリアルタイムな翻訳も実現する。翻訳時にクラウドからのサービス提供を必要とせず、CPUで効率的に翻訳を行うことができるとされている。
この翻訳アドオンは欧州連合(EU: European Union)の資金提供のもとで取り組まれた「Bergamot」というプロジェクトの技術によって開発されている。エジンバラ大学、チャールズ大学、シェフィールド大学、タルトゥ大学、Mozillaの共同体制で研究開発が取り組まれたプロジェクトで、クライアントサイドで翻訳が完了するという特徴がある。機械翻訳エンジンを中心に高レベルAPIが開発されており、WebAssemblyへ移植されているほか、行列乗算を最適化してCPUで効率的に実行できるようになっているとされている。
この翻訳アドオンやフォームに入力において、ユーザーが自分の言語で入力し、それをその場でページの言語に動的に翻訳するといった特徴的な機能も影響している。
執筆時点でサポートされている言語は次のとおり。
- アイスランド語(ベータ)
- イタリア語
- エストニア語
- スペイン語
- チェコ語
- ドイツ語
- ノルウェー・ニューノルスク語(ベータ)
- ノルウェー・ブークモール語
- ブルガリア語
- ペルシア語(ベータ)
- ポルトガル語
- ロシア語(ベータ)
執筆時点で日本語はサポートされていない。開発の経緯などを見る限り、今後日本語などのサポートが追加されるかどうかは不明な状況にあるとみられる。