インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月2日、山形県長井市が取り組んでいるスマートシティプロジェクトに参画し、「河川監視」および「子ども見守り」事業において、IoT(モノのインターネット)、およびモバイル関連サービスを提供することを発表した。

河川監視事業では、中心市街地にある小河川など、これまで大雨の際に内水被害が発生している場所を中心に圧力式水位センサー(LP-01-L)と静止画カメラを設置する。観測データや画像をインターネット上でリアルタイムに更新することで、いつでもどこからでも河川の状況を確認できるようにする。

同社はすでに、小電力で広範囲をカバーできるLoRaWANゲートウェイ(基地局)に加え、試験的に数台の水位センサー、静止画カメラを設置し、市内の河川の状況をリアルタイムにパソコンやスマートフォンに表示する運用を開始している。今後2022年夏頃に水位センサー、静止画カメラそれぞれ20台を市内の河川に展開する予定だ。

また、子ども見守り事業では、市内の小学生の保護者が、通学時や放課後などの自分の子どもの位置情報や行動を遠隔で把握することにより、安心して子育てできる環境づくりを目的としている。

IIJは2022年3月より、IIJ SIMを搭載したビーサイズのIoT見守りサービス「GPS BoT」を市内の小学校の希望者に提供し、サービスのカスタマイズに向けたコンサルティングを行っている。GPS BoTは移動ルートや現在地の表示に加え、子どもの行動をAI(人工知能)が学習し、普段の行動範囲を離れたら自動で通知する。

将来的には行動情報をもとに、子どもがよく通る道路の修繕や有害鳥獣への対応などにも活用していく考えだ。