米Metaは6月1日(現地時間)、シェリル・サンドバーグ氏がCOO(最高執行責任者)を退任することを発表した。
サンドバーグ氏は、世界銀行のエコノミスト、McKinsey & Companyの経営コンサルタント、クリントン政権時の財務省首席補佐官、Googleのグローバルオンラインセールス&オペレーション担当バイスプレジデントなどを歴任し、Facebookがまだスタートアップと見なされていた2008年に同社に入社した。収益化の道筋を確立していなかったFacebookにおいて広告による事業モデルを構築、短期間で同社の黒字化を達成。経営面でマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)を支えるNo. 2としてFacebookの躍進を牽引した。
人々のプライバシー意識の高まりから、近年Facebookの事業モデルへの風当たりが強まっている。昨年同社はモバイルの次の時代を見据えて、メタバースへの投資を強化する方針を打ち出し、社名をMetaに変更した。サンドバーグ氏は退任の理由に触れていないが、1日のFacebookの投稿の中で、COOに就任した時には5年ぐらいの役割と考えていたことを明かしている。それが14年になり、今後は以前から取り組んでいた慈善活動や財団にもっと力を入れるなど、個人の関心に時間を費やしていく考えを示した。
サンドバーグ氏は、今後数カ月をかけて引き継ぎを行って秋に退任する予定。退任後もMetaの取締役にはとどまる。ザッカーバーグ氏はサンドバーグ氏のCOO退任を「1つの時代の終わり」と表現している。COOの後任には長年にわたってFacebookの成長戦略を率いてきたハビエル・オリバン氏(最高成長責任者)が就く予定だが、サンドバーグ氏と同じ役割ではなく、「内部およびオペレーションに焦点を当てるより伝統的なCOOの役割を担うことになるでしょう」とザッカーバーグ氏は述べている。