ルネサス エレクトロニクスは5月31日、次世代サーバのマザーボードやインフラ機器向けのI3C規格ハブ製品として、I3Cインテリジェントスイッチデバイス「RG3MxxB12」ファミリを発表した。
現在多くのシステムは、従来のI2CプロトコルとシンプルなFET(Field Effect Transistor)スイッチを使用し、マザーボード上のイニシエータとターゲットデバイスを接続するが、この方法ではI3Cの速度に対応できず、システム管理は初歩的な機能に制限されるという。
I3Cは、I2Cの拡張版規格で、プロセッサやコントローラなどに周辺デバイスを接続するためのスケーラブルな制御バスインタフェース。高い性能や信頼性、低消費電力、低電磁鑑賞(EMI)の特徴を持ち、高度なテレメトリ、サイドバンドセキュリティ、起動時間の短縮などが実現可能だとしている。
I3Cハブ製品であるRG3MxxB12を用いることで、CPUやBMC(Baseboard Management Controllers)など複数のイニシエータを持つI3Cコントロールプレーンネットワークにおいて、伝送信号品質が向上し容量性負荷が低減でき、フルスピードで動作する大規模物理ネットワーク全体でターゲットをサポートできるようになるという。
また、I2C/SMバスとI3Cの混在するネットワークに対して、入出力レベルのシフトとプロトコル変換を行うことで、混在するネットワークの設計をサポートするともした。
今回ルネサスが発表したRG3MxxB12は、アップストリーム2ポートとダウンストリーム4ポートを搭載した製品と、アップストリーム2ポートとダウンストリーム8ポートを搭載した2つのバリエーションで提供される予定だ。
これらの製品は、2つのイニシエータポートを4ポートあるいは8ポート、またはそれ以上のターゲットポートに拡張可能で、高性能システムの設計の複雑さを軽減しながら、スケーラビリティと信頼性を向上させることができるとしている。
また、プロトコル認識と整合性をもってI3CとI2Cデバイス間の変換をシームレスに実行することで、従来デバイスをコントロールプレーンネットワークに接続・使用できるとのことだ。
同製品は、構想や仕様定義など初期の段階からルネサスとIntelが密接に協力しており、ソフトウェア開発、コンポーネントおよびシステムレベルの検証など、チップ化を実現した後も継続的に協業しているという。
なお、今回発表された製品は一部のユーザにサンプル出荷を開始しており、一般発売と量産は2023年の第1四半期を予定しているとのことだ。