NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は5月31日、自動車や建機、農機業界で海外に事業展開を目指す企業を支援するため、モバイルネットワーク(3G/LTE/5G)を使ったIoT(Internet of Things:モノのインターネット)コネクティビティサービスのラインアップとして「IoT Connect Mobile Type A」の提供を開始すると発表した。
同サービスは世界180の国と地域で利用可能であり、同社がIoT通信の回線管理や保守窓口までをワンストップで対応する。
昨今は、世界各国に輸出されるIoT機器に製造段階でeSIMをあらかじめ組み込んで製造工程を統一化し、製造コストを削減したいという需要が高まっているという。また、輸出先の国で利用する際には、通信環境や料金面において適切な通信プロファイルをダウンロードしたいとする声も顕在化しているとのことだ。
こうした需要に応えるため、「IoT Connect Mobile Type A」はNTT Comの通信プロファイル管理装置とユーザーが保有するeSIM管理装置との連携機能を提供する。これにより、同社が対応する国や地域で通信可能なプロファイルだけでなく、現地の通信環境などに応じてほかの通信キャリアのプロファイルも選択可能になるとしている。
また、同サービスはパーマネントローミング規制国においてはマルチIMSI(International Mobile Subscriber Identity)方式での提供となる。現地キャリアのIMSIを同サービスのSIMに書き込み通常のIMSIと切り替えることで、現地キャリアのSIMとして通信可能になる利点がある。
近年は、コネクテッドカーに搭載するeSIMのように、1枚のeSIMを複数の用途に使うケースが増えている。そこで、同サービスはグローバルでのSplit Billingを提供し、eSIMを搭載した製品の提供側が利用する通信と、エンドユーザーが利用する通信とを区別し、用途別の通信量の分計が可能だ。導入企業は自社で通信を分けて管理する必要がなくなるため、より迅速にエンドユーザー向けビジネスを開始できるのだという。