IntelのPat Gelsinger CEOが5月30日午後に韓国ソウルにあるSamsung Electronics本社を訪れ 李在鎔(イ・ジェヨン)副会長とひそかに会談を行ったと韓国メディアが報じている。
5月20日には米国のバイデン大統領がSamsungの平澤事業所の最先端半導体製造ラインを視察して米韓半導体協業の重要性を訴えてから10日ほどしか経っていない。
売上高世界1位と2位の半導体メーカーの最高実力者同士の会談には、Samsungの慶桂顕(キョン・ゲヒョン)半導体(DS)部門長、盧泰文(ノ・テムン)モバイル(MX)事業部長、李禎培(イ・ジョンベ)メモリー事業部長、崔時栄(チェ・シヨン)ファウンドリー事業部長、朴庸仁(パク・ヨンイン)システムLSI事業部長ら「Samsung社長団」が同席して、半導体だけではなく、家電・通信製品など最終製品を含めた多様な分野での事業協力案を協議したという。
バイデン大統領と韓国の尹大統領が合意した、中国に依存しない「米韓半導体サプライチェーン同盟」がさっそく実践され、業界地図が塗り替えられる可能性があると韓国半導体業界関係者は見ている。今回の会談はGelsinger氏の要請によるものというが、IntelはGelsinger氏の訪韓日程を公表しておらず、同氏の4月初旬の訪日・経産省訪問と同様、ひそかな行動である。
なお、半導体業界関係者の中にはIntelは将来、CPUチップレットだけを自社で製造して、その他のチップレットは、TSMCやSamsungに製造委託するのではないかといった声や、同社が進めているIntel 18A(他社の1.8nmプロセス相当)に向けたEUVを多用する微細化プロセスの開発が予想以上に難航しているのではないかといった見方も出ている。