ソニービズネットワークスは5月30日、全国の会社員や経営者・役員1000名を対象に実施した「AI導入状況調査」の結果をまとめ発表した。
これによると、AI導入企業の3社に2社が2019年の新型コロナウイルス蔓延開始時期前後である3年以内にAIを導入していることが分かった。テレワークの普及に伴い、AI導入も加速したと考えられる。AIの用途については「需要予測、販売予測」(38.8%)が一番多く、「顧客分析、営業活動効率化」(36.6%)、「在庫最適化」(33.2%)と続いた。
AIの導入により、4割以上の人が、業務の作業時間を削減できたと感じている。その一方で、1週間で削減できた作業時間は、「20時間未満」と回答する人が8割以上となり、大幅な作業時間の削減については感じられていないのが現状だ。
AIの導入後の運用面の課題については、半数近くが「AIを最大限活用できていない」と回答。3人に1人が「運用できる人材がいない」と回答しており、導入していない企業が足踏みしている理由として「AIの導入をリードできる人材がいない」(31.4%)が一番多く、導入前後の人材不足が大きな課題となっていることが分かった。
中小企業と大企業での格差も判明した。AI未導入の企業に勤める会社員にAI導入の検討状況について質問したところ、「現段階で検討していない」300人以上規模の大企業は3割に満たなかったものの、300人未満規模の中小企業では7割を超えており、企業規模によって検討状況に大きなギャップがある。
AI導入済みの企業についても、AI導入にかけている年間予算に格差があり、300人未満規模の企業では、6割以上の企業が300万円までしかAI導入に予算を割けないのに対し、300人以上規模の企業では、半数以上の企業が300万円以上予算を割くことができているという結果となった。
同調査結果を受け、ソニービズネットワークスのAI担当者は「人材不足が社会問題に発展している昨今ではむしろ中小企業でのAI活用が促進されるべきだ。AIリテラシがなくても簡単に安価に利用できるツールが求められている」とコメントしている。