エヌエヌ生命保険は5月30日、全国の中小企業経営者の息子・娘を対象に、同社が実施した事業承継に関する調査の結果を発表した。これによると、継ぐ予定との回答は全体の24.0%だった。
同調査は同社が4月22・23日の両日に、従業員300人未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)を父または母に持つ20歳以上59歳未満の男女728人を対象にインターネットにより実施したもの。
会社事業の承継予定を尋ねると、「継ぐ予定」は24.0%だったのに対して、「継がない予定」は60.7%に上った。男女別では、継ぐ予定と回答した息子は34.3%だったが、娘は13.7%にとどまっている。
事業を承継しないという回答者にその理由を複数回答で尋ねたところ、「他に後継者候補がいるから」が31.2%で最も多く、以下「会社経営に興味がないから」(26.0%)、「自分は経営者に向いていないと思うから」(23.3%)が続く。
承継するという回答者にその理由を複数回答で聞くと、「廃業させたくないから」が56.6%と最多であり、以下「親に頼まれたから」(33.1%)、「会社経営に興味があるから」(21.1%)と続く。
同じく承継予定の回答者に対して、事業承継に際し心配・不安なことを聞いたところ、「資金繰りなど経営状況」が38.9%と最も多く、以下「自身の経営者としての能力」(30.3%)、「仕入れ先や顧客との関係」(25.7%)、「会社の将来」(25.1%)の順だった。
全回答者に対して親が経営する会社事業の魅力を複数回答で尋ねたところ、「地域社会に貢献している」が28.0%と最多、「顧客をはじめ社会の要望にこたえている」が26.2%で続き、社会との関わりについての回答が目立った。