デジタルカレッジKAGAは5月30日、「空飛ぶクルマ」の実用化に向けて、石川県加賀市においてパラモーターを用いて市街地上空を実際に人が飛行するルート検証を実施したことを発表した。
今回の検証では、加賀市の上空を距離約25キロメートル、高度約100メートルから200メートル付近を山間部の山中温泉から海岸の橋立漁港まで約1時間飛行した。空飛ぶクルマの地上設備の設置やルートの設置に向けた課題を確認したという。
飛行ルートは山中温泉の町の中にある野球グラウンドから離陸し、山代温泉、大聖寺周辺、加賀温泉駅周辺を飛行し、橋立漁港にある小学校のグラウンドに着陸するものだ。大きなトラブルもなく検証が完了できたとしている。
検証飛行に際しては加賀市、観光協会、小松空港管制、自衛隊小松基地、石川県警察の協力の下で実施しており、特に橋立エリアは小松基地に離発着する自衛隊機の侵入経路にあたることから航空自衛隊とは特に密な連絡を取っての実施となった。
空飛ぶクルマに搭載するパラモーターは安全かつ静音な特徴を持ち、場所を取らずに離着できるため模擬ルートの検証に適しているという。また、航空法の規制を受けずに飛行でき、市街地上空でも飛行可能な上、上空5メートルの低空飛行や空中での静止も可能だ。
空飛ぶクルマは100キロメートルから300キロメートルの距離を飛行でき、大規模な滑走路ではなく小型のヘリポートほどのサイズでも離発着が可能だ。同社は、大阪府や京都府など関西圏や名古屋市から気軽に温泉宿の軒先まで空飛ぶクルマで乗りつけるような実用化を目指すとしている。