セールスフォース・ジャパンは5月25日・26日の2日間にわたって、バーチャルカンファレンス「SALESFORCE LIVE: Japan Sales Change Makers データが導く営業の未来-成長し続ける企業・組織の極意-」を開催している。

25日の講演「営業部門の成果を最大化する Slack 活用」においては、セールスフォース・ジャパンのプロダクトマーケティングディレクターである伊藤哲志氏と同社のエンタープライズ本部の本部長である熊谷喜直氏が登壇し「営業部門における売上を拡大するためのSlackの活用方法」について語った。本稿では、この講演の模様をお届けしよう。

  • セールスフォース・ジャパン プロダクトマーケティングディレクター 伊藤哲志氏

チャンネルは「透明な会議室」- Slackを使ったデジタルHQとは?

Slackとは、それぞれのユーザーが必要とする情報をつなげる、ビジネス用のチャットアプリだ。社内のコミュニケーション活性化のためにフリーアドレスを採用している企業が増えたり、コロナ禍で働き方がデジタル化した企業が増えたりしたことで、注目を集めることになったビジネスチャットツールだ。

Slackは、モニタスが会社員2,836名を対象に行った「利用実態調査ビジネスチャットツール編」でも、従業員規模にかかわらず導入数が増えていることが言及されており、注目が集まっている。

  • Slackのイメージ

セールスフォース・ジャパンは、独自の調査によって、従業員のニーズにぴったり合う職場を作るためには「組織の壁を壊してサイロ化を解消する」「時間や場所に柔軟性をもたせる」「ツールやアプリと連携し仕事を自動化する」という3点が必要だとわかったという。そのために、Slackが必要不可欠な存在であり、「デジタルHQ」として大きな役割を果たしているとのことだ。

「デジタルHQ」について、Slackは、「Digital HQ とはデジタル空間にある仕事の拠点です。ここではメンバー、システム、パートナー、顧客が連携して仕事をスムーズに進められます。Digital HQでは物理的な壁がなくなるため、場所や時間、方法を問わず柔軟に仕事を進め、最高の成果を出すことができます」と説明している。

この説明からも分かるように、Slackはただのチャットツールではなく、「仕事の拠点」としての役割が大きい。伊藤氏は、Slackの機能について「チャンネルは透明な会議室、プライベートチャンネルは鍵のかかった会議室」と紹介していた。そのほか、Slackのアプリを利用していないゲストを招待したり、資料を共有したり、日報を書いたり、というようなフレキシブルな機能が多くあり、同氏はSlackがプラットフォームとして活躍できることを強調していた。

セールスフォースの営業本部長が語る、実際のSlackの活用方法

続いて、同社の営業本部長である熊谷氏が登壇し、社員の1日を例に、デモンストレーションをもとにSlackの活用事例を紹介した。

  • セールスフォース・ジャパン エンタープライズ本部本部長 熊谷喜直氏

熊谷氏は、1日にさまざまなアプリを使用して生活している営業部員とSlackのみを利用している社員を比較し、下の図を見ても機能の幅の広さが分かる。

  • Slackから始まりSlakで終わるセールスフォースの営業の生活

このようにSlackを業務の中心に置き、さまざまなアプリと連携することで、全ての業務を一気通貫して行うことができるようになるという。 熊谷氏は、営業本部長としてのデジタルHQに求めることとして、「組織内の出来事を俯瞰して把握」「さまざまタスクをスピーディに同時進行」「オープンカルチャー」の3つを挙げ、Slackを活用することによりこれらが解決することを説明した。

最後に伊藤氏から「組織が成長し続けるための極意」について問われた熊谷氏は、「組織や個人の目的や方向性がアラインされ、知見や活動の成果が最大化されること」と回答し、講演を締めくくった。