システムズは5月26日、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の足かせとなるレガシーシステム(老朽化したシステム)が持つ課題解決を目的として、レガシーなITに強い人財のコミュニティ「レガシー侍」を5月20日に発足したことを発表した。
同コミュニティは、多くの企業で長年使い込まれ老朽化やブラックボックス化が進んだレガシーシステムが抱える課題に対するノウハウを持つエンジニアをつなぎ、技術や知識を共有するために創設された。会員登録は無料。
参加登録後はコミュニティメンバーとして情報共有が可能となるだけでなく、レガシーシステムの移行やマイグレーション案件に関する情報も提供されるという。資産解析、移行、プログラム作成などコミュニティメンバーが受託あるいは参画するマイグレーション案件への合流も可能とのことだ。
経済産業省が発表した「DXレポート」において、レガシーシステムはDXを阻害する技術的負債であると指摘されており、こうしたシステムが引き起こすであろう2025年の崖問題への対応も急務だ。
一方で、レガシーシステムを現在も維持するIT現場では、古くなった技術や仕組みをもとに構築された基幹システムのための汎用機などの開発元ベンダーが撤退を発表するなど、システムの保守も継続が困難な状況になりつつある。
さらに、レガシーシステムに精通した人材の高齢化やスキル不足によりレガシーITの技術や知見を有するエンジニアは年々減少しており、対応できる人材は今後ますます減少すると予想される。
こうした背景を受けて同社は、「レガシーシステムを移行したくても移行できない」「廃棄して一から作り直しせざるを得ない」といった課題を解決するため、レガシーなITに明るいエンジニアや過去のITに対する知見を持ったエンジニアのコミュニティの創設に至ったとしている。