米デル・テクノロジーズは、5月3日(現地時間)にプライベートイベント「Dell Technologies World 2022」において、同社のストレージ製品「Dell PowerStore」「Dell PowerMax」「Dell PowerFlex」の新機能を発表したが、5月25日には、日本法人が改めて新製品の概要を説明した。
機能強化を行った「Dell PowerStore」「Dell PowerMax」「Dell PowerFlex」では、500を超える新機能が搭載されているという。新たな製品は2022年第3四半期に提供開始の予定。
Dell PowerStoreでは、PowerStore OS 3.0により、120以上の新機能を搭載。ハードウェアのプラットフォームも更新し、次世代のコントローラー搭載、NVMeの拡張(最大4つの 100Gb NVMe/TCPポート、vVols over NVMe)、100GbEネットワークをサポートし、これらによって速度50%アップ、容量も60%アップ(クラスターあたり最大18.8PB)している。
NVMeについて、ストレージプラットフォームソリューション事業本部 システム本部 ディレクター 森山輝彦氏は「ホストからスイッチを通してコントローラ、デバイスまですべてがNVMeのプロトコルで構成できるようになっている。vVOL over NVMeのサポートは1つの目玉になっている。100Gb NVMe/TCPにより、FCよりも73%高速になる」と説明した。
データモビリティに関しても、移行、ネイティブファイル、レプリケーションの機能の強化も行われている。
VMwareとの連携も強化され、PowerStore ManagerからVMwareの情報を確認できるようになってており、また、vSphereからPowerStoreのブロビジョニングができるようになっている。VMFS、vVols、NFSも今回サポート対象になり、日本語化対応も行っている。
なお、PowerStoreの第1世代を使っており、Anytime Upgradeを利用している場合、無料でコントローラ等のアップグレードができる。
Dell PowerMaxでは、PowerMax OS 10で200以上の新機能を搭載。ハードウェアでコントローラの拡張、ノードスケールアウト、ダイナミックファブリック、NVMe over TCPなどをサポートしている。Zero Trustの考えをサポートし、ハードウェアRoot of Trustをサポート。不正アクセスを監視する「CloudIQ」も搭載されている。
スナップショットは6500万までサポートし、重複排除およびデータ圧縮により4:1のデータ削減(これまでは3.5:1)を保証する。
パフォーマンスは最大2倍となり、レスポンスタイムは最大50%短縮されるという。そのほか、Anytime Upgradeにより、無停止でのアップグレードが可能だという。
Dell PowerFlexでは、Amazon、Google、Microsoft、RedHat、SUSE、VMwareの主要なKubernetesおよびコンテナ オーケストレーション プラットフォームに対するファイルおよびブロックのサポートを追加。
また、ベアメタル環境および仮想化環境の両方を通じて、統合したブロックおよびファイル ストレージ サービスを使用して、既存ワークロードおよびコンテナ化したワークロードを連結。そのほか、NVMe over TCPを採用しているという。
今回のアップデートはソフトウェアの更新が中心だが、この点についてデル・テクノロジーズ 上席執行役員 システムズ エンジニアリング統括本部長 藤森綾子氏は「ストレージのイノベーションはデータを中心とした運用、保護、アクセス性が重要だ。ストレージに求められる要件としては、運用の一貫性、生産性を実現するための自動化、ストレージにビルインされたセキュリティ、マルチクラウド環境で必要な情報にアクセスするための可搬性と管理性だ。これを実現するのが今回発表したソフトウェア主導型のストレージだ」と述べたほか、森山氏は「われわれの開発エンジニアの85%はソフトウェアエンジニアで、ストレージ、データマネージメントの部分ではソフトウェアのパワーを重要視しており、それをさらに活用、重要視して、お客様にタイムリーにソリューションを届けることを継続してやっていきたい」と、ソフトウェアに注力している同社の姿勢を語った。