5月11日から13日まで東京ビッグサイト南展示棟で開催された「NexTech Week【春】」内の「第6回 AI・人工知能EXPO【春】」で、SOLIZEは「暗黙知とAI技術の融合で実現する業務変革」をメインテーマに掲げ、製造業の現場におけるDXソリューションを展示した。

  • SOLIZEブースの様子

    SOLIZEブースの様子

SOLIZEは、主に製造現場における課題解決や業務効率化に向けたコンサルティングやソリューションを提供している。

今回の展示では、高齢化や人材不足が進む製造現場でボトルネックになりやすい熟練者の暗黙知について、その中でもAIでの置き換えや効率化が可能な業務に対するソリューションを紹介した。

製造現場において熟練者が保有する暗黙知は、属人的な要素が大きく技術伝承が難しいという課題がある。だがSOLIZEがその内容を細分化し分析したところ、その内容は大きく「作業」「選択的判断」「判断」に大別できたという。

このうち約90%を占める「作業」と「選択的判断」については、熟練者の能力に依存することなく、機械による自動化やAIによる推論でほとんど代替可能であり、熟練者の業務リソースは残る10%ほどの「判断」に集約できるとのことで、それについてもAIが蓄積したデータを活用し推論を行うことで、技術伝承を効率化できるとした。

  • ブースにて展示された暗黙知のDXに関する紹介パネル

    ブースにて展示された暗黙知のDXに関する紹介パネル

そして今回の展示では、製造業のさまざまな業務に対して効率化を図るAIソフトウェアに関する展示も行われた。

中でも過去の図面データを活用し検図業務の効率化を行う「PicSee」や、過去の事故データからAIによる危険予測を行う「SpectA KY-Tool」などのソフトウェアは、SaaS版としてのサービス開始を年内に控えている。ブースの担当者によれば、今回の展示は正式リリースに先立つお披露目の意味合いも大きいとのことだった。

SOLIZEが提供するサービスの強みとして、ものづくりにおける業務全体の問題解決に向けたサービスを提供していることがあるという。

前出のブース担当者は、「近年は、導入までの学習時間を短く抑えられる特定の業務特化型AIが主流になっているが、1つの業務を短縮するだけでは根本的な問題解決とは言えない。最終的に解決すべき課題は業務全体の効率化であり、それに向けて具体的なソリューションをさまざまなフェーズで提供できるのが、我々の強みだ」と語った。