Criteo(クリテオ)は5月24日、動画広告のWeb配信プラットフォーム「Criteo動画広告」の提供開始を発表した。同日には、メディア向けの説明会がオンラインで開催された。
同サービスでは、Web広告のパブリッシャーが提供するインベントリ(広告枠)に対して、同社が保有する消費者の購買行動に関するコマースデータセット「Criteoショッパーグラフ」(ショッパーグラフ)を基にオーディエンス(配信ターゲット)を選定して、動画広告を配信できる。
広告フォーマットは3種類で、既存の動画内で再生される「インストリームビデオ」、テキストコンテンツの中に動画を埋め込んだ「アウトストリームビデオ」、モバイル端末のアプリ内で再生される「縦型ビデオ」のいずれかで配信が可能だ。
同サービスの特徴は、YouTubeやFacebookなどの特定のプラットフォーム内に限定せず、オープンなインターネット上のオーディエンスを対象としていることだという。
説明会でサービスの概要を説明したCriteo パートナーシップ戦略責任者の池田智幸氏は、「当社では300以上の購入シグナル、9000億ドル超の商品の流通情報、25億以上のユーザー識別子、100点以上の商品データなど、消費者の購買行動に関わるデータを有している。Criteo動画広告ではそれらのデータを活用して、オープンインターネットのユーザーの中から企業のブランド、製品、サービスに興味・関心を持つ可能性の高いオーディエンスを見つけ出せる」と説明した。
広告の配信対象の設定にあたっては、2つの方式を選択できる。1つは事前に用意された約800カテゴリー(市場動向などによって数は変動する)のオーディエンス群から選択する「Commerce Audience」だ。こちらは、企業のマーケティング担当者がブランド、性別、購買力の高さなどの項目を手動で設定することで、利用するカテゴリーを絞り込む。
もう1つが、同社独自のAI(人工知能)で企業のサイトを訪問した既存ユーザーの動向を分析し、企業の製品・サービス興味に・関心の高いユーザーと類似したオーディエンスのターゲティングを行う「Similar Audience」だ。こちらは、サイトのユーザーをリアルタイムに分析した情報を活用するため、オーディエンスを随時更新することができる。
動画配信後は、インプレッションや動画の視聴完了率(VCR)や視聴完了単価(CPCV)といった広告出稿の効果を測る指標がレポートでまとめられる。このほか、動画広告の視聴を起点にユーザーの行動のトラッキング結果をまとめた「フルファネルレポート」の作成も可能だという。
「例えば、570万のインプレッションを得た後、ビデオキャンペーン単体で発生したコンバージョンを追うだけでなく、ビデオキャンペーンを視聴後にクリックしたユーザーがローワ―ファネルキャンペーン(リターゲティング)でコンバージョンしたCV数も可視化できる」と池田氏は解説した。
このほか、Criteo動画広告では、広告視聴者のブランドに対する認知度の向上度合いや好感度の変化を調査するサービス「ブランドリフト・サーベイ」も併せて提供するという。同サービスでは、動画が「配信されたユーザー」と「配信されていないユーザー」の双方に、調査のための「Survey banner」を配信し、回答結果にどれぐらいの差があったか計測する。
「次のうち、どの動画広告を最近見たか?」「次のうち、どちらのブランド製品を聞いたことがあるか?」「次のうち、好感が持てるブランドはどれか?」など、設問は最大3設問まで設定できる。