Elasticは5月24日、メディア向け事業戦略説明会を開催した。説明会には、ElasticのCEOのアシュ・クルカルニ氏が本社から中継で登場したほか、Elasticsearch日本法人代表の山賀裕二氏が2023年度の日本市場における事業戦略を説明した。

本社CEOが語るElastic製品にニーズが集まる理由

説明会は、アシュ・クルカルニ氏からのビデオレターでスタートした。

  • Elastic CEO アシュ・クルカルニ氏

クルカルニ氏は、Elasticのグローバルビジネスを後押ししているトレンドを5点挙げた。

5つのトレンドとは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の成長と増大し続けるデータ量」「企業のクラウド移行」「開発の存在」「エンタープライズ・アプリケーションの普及」「深刻なサイバー脅威」だ。

Elasticの製品は、最新のセキュリティオブザーバビリティ、エンタープライズサーチのニーズに対応し、バリューチェーン全体にまたがる検索ベースソリューションを提供する単一のデータ分析プラットフォームであるため、ニーズが急速に高まっているという。

最近、オブザーバビリティという言葉を耳にする機会が増えているが、日本語に訳すと「観測性」となる。昨今、デジタル化の急進によって大量のデータが発生しているが、その結果、データの収集と可視化が難しくなっている。

そこで、企業が抱える大量のデータのオブザーバビリティを同社のソリューションにおいて実現することで、同社はデータをビジネスの価値を創造するものに転換しようとしている。

  • Observabilityによって大量のデータを「ビジネス価値」に転換する

また、クルカルニ氏は「COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックをきっかけに企業がデジタル変革を遂げたことも急速なニーズの高まりの要因の1つ」と述べた上で、自社の強みでもあるログ解析の重要性を説明し、「私たちは卓越したイノベーション企業を目指しています」と力強く語った。

Elasticの日本市場における事業戦略

日本市場における事業戦略の説明は、2021年末に日本法人の代表に就任したばかりの山賀氏が行った。

  • Elasticsearch日本法人代表 山賀裕二氏

山賀氏は、導入している企業の事例を紹介しながら、自社の強みや日本市場における事業戦略を語った。

導入事例や社会からのニーズ、自社の強みを考えた際、特に2023年度に同社の日本法人が注力すべき領域は「オブザーバビリティにおけるElastic活用推進により、顧客のDX推進において『ビジネス価値』の最大化実現を支援」「Elastic Cloudの利用促進により、短期でのROI(投資収益率)実現を支援」「パートナー・エコシステムの拡充」「Elastic コミュニティへのご支援強化」「日本法人における体制の強化」の5点だという。

最後に、山鹿氏はElasticが選ばれる理由として、「統一されたプラットフォームで大量データ、ログを『ビジネス価値』に転換できる」「導入のしやすさと拡張の容易性で優れたROIを短期で実現できる」「コミュニティの規模」の3点を挙げ、「引き続きこの強みを生かして、日本企業や日本社会の発展に役立つ活動を目指していく」と締めくくった。