東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、第一三共、武田薬品工業、MICINは5月23日、ウェアラブルデバイスを用いて1年間の生活習慣データを取得する共同研究を開始し、今秋より研究参加者の募集を開始することを発表した。なお、同研究は2022年3月に開始したものだ。
同研究では睡眠状態、心拍、活動量など自己申告では正確に把握しづらい日々の生活習慣情報を客観的かつ定量的に長期間取得し、ToMMoのコホート研究により過去に取得している詳細調査データや臨床データ、MRI画像データやゲノム情報などと組み合わせて関連解析を行う。
客観的な評価としての身体活動に関する情報と、コホート調査のデータを組み合わせた研究を進展させることで、生活習慣や環境要因を軸とした医学研究が向上し、精密医療や個別化ヘルスケアの実現を目指した創薬などへの応用が期待されるのだという。
今回の研究の参加目標人数は約2000人。参加者には腕時計のように身体に装着するウェアラブルデバイスを1年間貸与し、長期にわたる詳細かつ客観的な生活習慣データを蓄積する予定だ。
1年間という長期にわたる生活習慣のデータをデジタル化し、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査の結果と組み合わせることで、生活習慣と健康状態および疾患との関連がこれまで以上に詳細に解析できるようになると考えられる。研究チームによると、同研究はウェアラブルデバイスに基づく個別化ヘルスケア時代に向けたモデルケースとなり、国内外における同様のプラットフォーム構築や利活用を牽引する可能性もあるとのことだ。