5月11日から13日まで東京ビッグサイト南展示棟で開催された「NexTech Week【春】」内の「第6回 AI・人工知能EXPO【春】」にて、Anamorphosis Networks(アナモルフォシスネットワークス)は、簡単な画像学習で自動外観検査を可能にするAIソフトウェア「NuLMiL(ヌルミル)」や、同ソフトウェアを搭載した自動検査装置の展示を行った。
Anamorphosisは、京都大学出身者らが中心となって2018年に設立された大学発ベンチャー企業で、AI技術を活用した外観検査や棚卸効率化に向けたソリューション提供を行っている。
今回展示されたNuLMiLは製造現場の外観検査向けAIで、数十枚程度の画像学習によって不良品検出が可能になるという強みを持つ。不良品学習の際には、熟練者が発見した不良箇所に対して、撮影画像データ上にてタッチペンで当該箇所を塗ることで、不良箇所を学習する仕組みを採用しているという。また傷や欠けなどの不良タイプについても、色分けして記入することで学習が完了するなど、作業がシンプルであることも特徴だという。
さらにNuLMiLは、良品学習と不良品学習をハイブリッドに行うことで、少数のデータ学習での不良品検出を可能にするうえ、未知の異常についても学習した良品との差から検出可能とのことだ。
同ブースでは、NuLMiLを搭載したマルチアングル検査装置「AIM-CIS」などの検査装置も展示され、自動外観検査の実演も行われた。AIM-CISは、検査対象となる製品を既定の位置に設置し動作を開始すると、約15秒で対象の撮影を完了し、即座にAIによる不良の検出が行われる。
NuLMiLは金属部品やシリコンウェハなどさまざまな部材を対象とした検査装置に対応可能で、すでに注文が入り始めており、2022年中に実用が始まる見込みとのことだった。