大日本印刷(DNP)は5月20日、システムやアプリケーションの開発に用いる「アジャイル開発」の一手法である「スクラム開発」を学べる、「スクラムが体験できるボードゲーム~目指せスクラムマスター~」の試作品を開発したことを発表した。
アジャイル開発とは、小さな仮説から検証を進めて立証した事実を積み重ねることで、無駄を少なく技術や製品、サービスを成長させる手法を指す。また、スクラム開発とはアジャイル開発の一種であり、スポーツのラグビーのようにチームメンバー同士がタスク(業務課題)を分担し、それぞれの成果を持ち寄って開発を進める方法だ。
同社は今回、エンジニア以外にもアジャイル開発およびスクラム開発のの教育の幅を広げ、実務につなげることを目的として、初心者がゲーム感覚で楽しみながら開発のポイントを体感できるボードゲームの開発に着手したとしている。
ボードゲームはターン制で、自身のチーム力を強化して「成果物」の種類と数に応じて「案件」を達成しながら進行する。「案件」の難易度に応じて対価を得ることができ、最も早く一定の対価を得たプレイヤーが勝利となる。
同ゲーム内ではアジャイル開発に必要な、最終目的の達成に向けてできるだけ早く小さい成果物を積み重ねるプロセスをゲーム内で体験することで、アジャイル開発全体の理解にもつなげられるようだ。また、スクラムマスターやスプリント、バックログなどスクラム開発でよく用いられる用語を使用しており、ゲームで遊びながら各用語への理解を深められるという。
同社は今後、社外向けワークショップの実施やイベントへの出展などで利用者のフィードバックを得ながら、スクラム開発の教材やアジャイル開発のコンサルティングメニューとしてのサービス提供を目指す予定だ。さらに、オンライン対応や簡略版の作成なども進めるという。