ソニーグループ(ソニー)は5月18日、バリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)の達成目標を2050年から2040年へ、また、自社オペレーションでの再生可能エネルギー100%の達成目標を2040年から2030年へ、それぞれ10年前倒しすることを発表した。

ソニーは1990年代初頭から環境活動方針と行動計画を掲げて活動しており、2010年には、自社の事業活動および製品のライフサイクルを通して、地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることを目指す長期環境計画「Road to Zero」を公表。

この「Road to Zero」の計画を10年前倒しする。具体的には2030年までに、自社オペレーションにおける直接・間接排出(スコープ1、2)をカーボンニュートラルとする。さらに、2040年には、スコープ1、2に加えて、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)も対象とし、全スコープにおいて排出量実質ゼロを目指す。

また自社事業所で使用する電力を100%再エネ化する目標も、2040年から2030年に前倒しする。これに伴い、「Road to Zero」達成に向けた環境中期目標「Green Management 2025(GM2025)」の重点項目の一つである、2025年時点での再エネ由来の電力使用率を、従来目標の15%から35%に引き上げる。同時に、再エネ調達方針において、発電設備導入時や運転時の環境配慮項目などを追加する改定を行ったという。

計画の前倒しに向け同社は、グループ全体で省エネルギー化、太陽光発電設備の設置を進め、ソニー製品1台あたりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速させる。加えて、部品、材料、完成品の製造委託先などソニーグループのビジネスパートナーにも、それぞれの温室効果ガス排出量の管理、省エネ、再エネ転換などを促し、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の削減を目指す考えだ。