ルネサス エレクトロニクスは5月17日、2014年10月に閉鎖した甲府工場(山梨県甲斐市)に900億円規模の設備投資を行い、300mmウェハ対応のパワー半導体生産ラインとして、2024年に稼働を再開させることを目指すと発表した。
脱炭素化社会の実現に向けて、電力の供給や制御を担う高効率なパワー半導体は、特に電気自動車(EV)向けの需要が今後世界的に高まると見込まれている。そこでルネサスは、甲府工場で300mmウェハの量産を開始することで、脱炭素社会の実現に貢献していくとした。
同工場は、ルネサスの100%子会社であるルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの傘下として、150mmおよび200mmウェハ対応の生産ラインを有していた。今回ルネサスは甲府工場に現存する建屋を活用し、パワー半導体専用の300mmウェハ対応生産ラインとして稼働を再開させる判断に至ったとした。
同工場で300mmウェハの本格的な量産が開始されることにより、ルネサスのパワー半導体生産能力は現在の約2倍になる見通しだという。なお、今回の設備投資は、経済産業省の半導体戦略を踏まえて同省とも緊密に連携し、2022年中に実施する予定だとした。