WOW WORLDは、5月16日、自社の新サービスである「WOW engage」の発表会を行った。発表会には、WOW WORLD代表取締役社長である美濃和男氏をはじめ、サービス開発に携わったグループ企業の取締役と、ゲストとして経済アナリストの森永卓郎氏が登壇し、新サービスに関する発表とパネルディスカッションを行った。

  • 全体の集合写真  左から西内啓氏、服部恭之氏、美濃和男氏、森永卓郎氏、椎葉宏氏

「必要なことを必要なタイミングで必要な場所へ」届ける新サービスとは

初めに、美濃氏が登壇し、これまでに提供したサービスの概要や今回の新サービスである「WOW engage」の開発背景などを説明した。

「WOW engage」とは、今夏にリリース予定の新サービスで、「必要なことを必要なタイミングで必要な場所へ」をテーマに開発されたCDP(カスタマーデータプラットフォーム)ソリューション。 企業内で別々に管理されている個人情報や購買情報、Webサイト上の行動履歴などを統合して分析し、「顧客が望まない情報はあえて送らない」「別の情報に差し替える」など、顧客のエンゲージメントを高めるための施策を提案するサービスだという。

美濃氏は、国内でスマートフォンの普及が始まった2007年以降、メディアの接触時間が増加の一途をたどっていることや、2025年までに世界中の1日あたりのe-mailトラフィック数が3,764億通になると言われていることを説明し、必要なことを必要なタイミングで必要な場所へ届ける「WOW engage」のサービスの重要性を説明した。

また美濃氏は、同サービスについて、企業のマーケティング担当者の視点でも一般生活者の視点でも有益な使い方をできることを、アパレルのECサイトを運営する企業のマーケターの例と、休日にショッピングモールで出かける生活者の例を用いて説明した。

マーケターの例では、「配信時間を変更する」「配信回数をあえて落とす」「顧客の本当に求めている商品をリサーチする」などの「必要なことを必要なタイミングで必要な場所へ」というテーマに沿った情報提供をしていくことを再度強調していた。

「WOW engage」はお酒を飲みながら目的に行ける新幹線と似ている?

パネルディスカッションの時間は、美濃氏と森永氏が登壇し、森永氏からの質問に美濃氏が答えるという形で進んだ。

まず初めに森永氏から「「WOW WORLD(社名)の由来」について聞かれると、美濃氏は「入浴中に思いついた」と意外な思い出を明かした。 また具体的な由来としては、「WOW」は、驚きの中でも、期待以上の驚き、嬉しい驚きとして使われていることが多いことから、嬉しい感嘆詞が生まれる世界を作りたいとの思いから命名したとのことだった。

また2つ目に、今回の発表会のメインテーマでもある「WOW engageについて」を聞かれると、美濃氏は「もともとの性能が今の2倍になったとしても、受け取る側が不利益だと思うような世の中を助長したのでは意味がない」と今回の新サービス誕生にかける想いを語った。 それに対して森永氏は、「新幹線と同じ考え。新幹線もスピードを上げるだけだったが、近年だと快適なちょうどいいシステムになっている。これ以上速く運転できるようになったとしても、目的地にすぐ着いてしまい、お酒も飲めず、新幹線の良さがなくなってしまうのと同じ」と自身の体験と比較してサービス開発の背景に納得の様子だった。

  • パネルディスカッションの様子 左:WOW WORLD代表取締役社長の美濃和男氏 右:経済アナリストの森永卓郎氏

最後の質問は「WOW engageの将来像」についてだった。 この質問に対して美濃氏は、「たくさんの仲間を向けてよりサービスを拡充していきたい。チャネルを提供している企業とアライアンスを組んでいけば消費者としても良い世の中になったと感じられるはず」と熱く展望を語った。

また、発表会の締めくくりに司会者から今日の感想を聞かれた森永氏は、「美濃社長がおしゃれだった」と発言し、会場では笑いが生まれていた。 またそれに対して「ぜひ今度お酒でも飲みにいきたい」と美濃氏が返すという和やかな雰囲気が流れた。 また美濃氏は続けて「このような著名な経済学者である森永氏に取り組みを評価していただけて嬉しい。」と発表会を締めくくっていた。