Zsh(Z shell)開発コミュニティは現地時間2022年5月14日、Zsh バージョン5.9をリリースした。ソースコードは米ミラーサイトであるSourceforgeのリンク先などからダウンロードできる。リリースノートによればバージョン5.9は、function定義時のオプション「-T」を新たに追加し、補完スタイルを定義するzstyleの書式変更が加わった。

  • WSL上でビルドしたZsh バージョン5.9

    WSL上でビルドしたZsh バージョン5.9

従来のZshは「zstyle ':foo:bar:*' style value1」「zstyle ':foo:*:baz:*' style value2」と定義した場合、value1を使用していたが、バージョン5.9はvalue2を使用する。開発コミュニティはzstyleの定義を明示するため「zstyle ':foo:bar:*:*' style value1」「zstyle ':foo:*:baz:*' style value2」とコロンを省略しないことを推奨している。他にもshエミュレーション機能の仕様変更もいくつか加わっているが、互換性は維持しているという。Zshはプログラミング可能なコマンドライン補完機能など、パワーユーザー向けの機能が多く、近年ではmacOSやLinuxディストリビューションのKali Linuxが標準シェルとして採用した。