キオクシアは5月13日、2022年3月期(2021年4月~2022年3月)の業績発表を行い、売上高が前年度比30%増の1兆5265億円、最終損益が2021年3月期の245億円の赤字から1059億円の黒字へと益転を果たしたと発表した。

売り上げが伸びた背景には積極的なクラウド向け投資と企業のIT投資があり、データセンター・エンタープライズSSD関連が伸長したことがあるという。また、5Gへの移行に伴うスマートフォン(スマホ)のメモリ搭載容量の増加トレンドも継続しており、そうした複合的な要因があるという。

さらに販売単価の安定的な推移と3次元フラッシュメモリの第5世代への切り替えによる生産効率の向上といったこともあり、営業利益も前年度の66億円(営業利益率1%)から2162億円(同14%)へと改善されたともしている。

ただし、第4四半期に発生した四日市工場および北上工場での半導体部材への不純物混入の影響で、廃棄せざるを得なかった仕掛品コストおよび稼働しなかった期間の製造固定費などを含む332億円分の損失が発生したことが、営業利益を引き下げたともしている。製造パートナーであるWestern Digitalは、3月2日に2工場において約7EB分の損失が生じたと公表していた。

なお、業界関係者によると、キオクシアのすべての3D NAND製造ラインで使用されている独自仕様の流体材料に購入段階ですでに不純物が混入していたことから、3D NAND製品に限って不良が発生したという。

  • キオクシアの2022年3月期決算概要

    キオクシアの2022年3月期決算概要 (出典:キオクシア発表資料)